二日目のスタートは内宮から。伊勢神宮の参拝時間は通年朝5時からなので、朝駆けしました。なんと言っても週末昼間の参道であるおはらい町やおかげ横丁は「通勤時間の新宿駅より混んでいるんじゃないか」ってくらい人でごった返しますので、内宮を人の少ない静かな環境で参拝したいから。なんですけどね。
域内のすべてのお社をほとんど人のいない中で参拝しましたけど、ただ木の生い茂る山の中より、人がきちんと管理した神宮のほうが木々や苔むす岩から力強い生命の息吹が感じられるのはなんででしょうか。そんな空気の中を歩いていくと、都会での生活で体についた垢みたいなものを落としてくれる、心の洗濯のような気がします。
帰りがけに宇治橋を渡った先にある宇治神社に参拝しました。ここは足神さんと言われ昔から「足の疲労平癒を祈れば必ず加護あり」とスポーツ選手からの信仰も多いそうで、今年はしょっちゅう足の怪我で走れなくなったこともあり、しっかりと参拝させていただきました。
しかし、泊まった宿のご主人から伺った話ですけど、伊勢に来られて内宮だけ参拝される方が増えているんだとか。なんだかもったいない気がしますね。
宿に戻る途中おはらい町に有るあの有名な「赤福」本店で、あんころ餅と美味しいほうじ茶をいただきました。お店は昔から内宮の参拝時間の朝5時からの営業とのこと、道路に面したところの窯では薪で湯を沸かし、その場で焙じたお茶を入れてくれました。奥には五十鈴川に面した座敷が広がり、江戸の昔からお伊勢参りに訪れた人たちがここに座わり、それぞれのお国言葉で話をしていたんではないかと想像力が掻き立てられます。
8時ころには宿を立ち、伊勢道で尾鷲方面へ。大宮大台ICで降り皇大神宮別宮 瀧原宮へ。
ここは第10代・11代天皇の崇神天皇・垂仁天皇が祀神・天照大御神(皇位継承の三種の神器の内の鏡)を皇居内に祀ることで起きる疫病や天災などを怖れ、分けて祀ることができるようそれぞれの娘の豊鍬入姫命と倭姫命に命じ、祀るにふさわしい場所を中部から近畿・中国地方を周り探させたことで、その地方にはふさわしい場所か一時的に祀神を祀った場所が元伊勢として伝承として残っていて、この瀧原宮もその一つ。
参道に沿って流れる頓登川のせせらぎと、蝉の声を聞きながら玉石を踏む音だけが気持ちを落ち着かせてくれます。