3泊目は奈良県桜井市に有るオーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井。奈良盆地に入ってからまず行きたかったのが橿原神宮なので、GoogleMapで近くの宿泊先に表示されたところでビジネスホテルみたいな味気なさそうな所を外す消去法で選んだ宿。
オーベルジュって車での旅行が主流のヨーロッパで広がった施設で、地の食材を使うなどの特色を持ったレストランに宿泊施設が合体したところ。基本クルマで移動のお客様が中心なので駅からは遠いところにあるけど料理やお酒が美味しいなど、食いしん坊の味覚を楽しませてくれる宿。という印象をもっています。
日暮れ前の交通量の増えた県道からナビの案内通りに交差点を曲がると、畑の間を通る農道のような道で丘を上り詰めると2つの建物が現れます。一つは「オーベルジュ」もう一つは「なら食と農の魅力創造国際大学校」。話を伺うと敷地と建物は奈良県が所有し、オーベルジュを日本全国で高級レストランやホテルを展開する株式会社ひらまつが運営し、隣接する大学は「食」を教えるフードクリエイティブ学科、学びとサービスを学生に実習させる場としてもオーベルジュが使われているとのこと。
奈良県の農業と食のクリエイティビティをマッチングさせる実践の場として、オーベルジュが有るとのことで、シェフを始めスタッフなどの食を作る側が農の現場まで足を運び、農と食の可能性を高い次元でクリエイティブさせペアリングする「食」の理想郷みたいな環境がそこにありました。
ディナーは前菜から遊び心を感じさせ、締めのデザートまで。改めて食はエンターテインメントだなぁと、楽しく美味しくいただきました。私達夫婦はお酒も好きなので、ワインをいただこうかとソムリエに相談したところ「お酒を飲めるのであれば食事に合わせたワインをお出しできるのでグラスワインをお勧めします」とのことで、一も二もなくお願いし、シャンパンから白ワイン、シマアジと長茄子の前菜では日本酒の大吟醸が合うとグラスで頂き、赤ワインも料理に合わせた軽めのものからフルボディのものまで堪能させていただきました。
翌朝は熱くも寒くもなく、農園に囲まれたような施設の中でも奈良盆地に面したレストランのテラスで頂きました。採れたての野菜と果実を使った料理と飲み物は、並べられるだけでごちそうですね。