二人三脚

 日本という国に住んでいる人は、怪我や病気で治療を受けたことが無い方はいらっしゃらないと思います。問題はあるにせよ日本の医療システムは素晴らしいものがあると思いますが、風邪を引いてしまったとか、お腹の調子が悪いなど医師に診断してもらい、薬を処方してもらい飲んで身体を治す。痛い〜治療が必要までの自己判断の閾値が人それぞれなのでしょうが、脳梗塞など少しでも身体の異常を感じたらすぐに治療が必要な病気もあれば、関節などの運動器の故障では患部を休めるだけでなく、筋力トレーニングなどで患部以外で補完が必要な病気もあります。

 身体の具合が悪いから医者に丸投げで治してね、のような他力本願が罷り通っている部分があると思いますが、医師という専門家の判断で自身の身体の現状を把握し、医師と共に二人三脚で病気を克服するのが治療という事で、患者側もその病気の本質をよく知るリテラシーが必要ということだと思います。

 私の仕事は椅子に長時間座っての作業が中心で、ぎっくり腰を繰り返すなど腰にはあまり良い環境ではなかったものの、仕事を続けることができましたが50歳後半に腰の痛みが長引き取れにくくなって来たので医師に相談、診察の結果脊柱管狭窄症と診断されました。

 椎間板ヘルニアや滑り症もそうですが背骨の中を通る脳からの太い神経を、背骨と背骨の間にある椎間板というクッションが潰れ、太い神経を圧迫することで身体のいろいろなところに痺れや痛みなどの症状を起こす病気で、症状を起きにくくするためには背骨の負荷を減らすこと。

 人間は二足歩行で立って行動しますが、身体の中でも重量のある頭を不安定な一番上についている事で腰に負担がかかって来ます。それを安定させるためには体幹(腹筋や背筋・斜腹筋)を鍛えてグラつきが起きないよう鍛える必要があります。そうやって脊柱管狭窄症と診断されてから10年近く筋トレと股関節の柔軟で保存的治療を行って来ましたが、長時間走ると太ももの裏に痺れが出るようになり、腰もいつまでも重だるさが抜けなかったので、10年ぶりに診察を受けると椎間板の潰れも大きく、ミエロという造影剤検査では神経の圧迫がはっきりと確認できました。

 それこそ一昔前は背中を開いて手術するLOVE法が主流でしたが、筋肉を切断するので痛みが残り、入院期間も長くなっていましたが内視鏡手術も一般的になって来ましたし、時折痛みはあるものの目を瞑って不具合を受け入れたまま生活する道もありましたけど、身体の可動域が制限されつつ朽ち果てるにはまだまだやりたい事も沢山あるので、不安はあるものの外科手術を決断いたしました。

下から尾骨・仙骨/腰椎/胸椎/頸椎ですが、下の3箇所の椎間板で圧迫がありました。