映画を見て来た。その感想。

先日映画を見て来た。ジョゼッペ・トルナトーレ監督の「鑑定士と顔のない依頼人」を近くの映画館で見て来たその感想を。映画のレビューをブログにエントリーするのは初めてだけど、面白い映画だったのでそれを誰かに伝えたくて。という気持ちからかも知れない。
映画自体はトルナトーレ監督と長年コンビを組み、数多くの作品を手がけたエンニオ・モリコーネが音楽を担当しているので、悪かろうはずはない。



オフィシャルサイトでこの映画はミステリーとあるけど、見終わった後感じたのはロマンスだな。演じた俳優さんたちも良かった。鑑定士を演じるのはジェフリー・ラッシュ、この映画の他にもたくさんの役を演じ、賞も沢山取っているけど、パイレーツ・オブ・カリビアンキャプテン・バルボッサを怪演したあの俳優といえば頷く人も多いかもしれない。
もう一人は、この鑑定士と組んで、美術品を落札する役のドナルド・サザーランド、24のジャックバウアーを演じるキーファー・サザーランドのお父さん。

まず感じたのは映像の美しさ、古い建物の中での自然な暗さや、ヨーロッパの古い町並みの夜景を無理なく表現していた、最後のエンドロールにCanonがクレジットされていたから、Cinema EOS Systemで撮影された作品なんだろうな、と思ったけれど、やっぱりスゴイシステムだわ。

映画を見終わった後って、作品の余韻にしばらく浸るのも楽しいんだけど、感じたのは既視感。何かでこんな作品に会った気がしていたんだけど、やっと思い出した。村上春樹の小説「国境の南、太陽の西」だ。ストーリーとか内容なんかは全く異なるけれど、出てくる人物の社会との疎外感や、社会に馴染めない自分と同じ要素を持つ異性と初めて心を通わすことが出来た人間のストーリー。

自閉症なのか、アスペルガーなのかは判らないけれど、初めて隣に同類がいた事の安堵感みたいなものが伝わってくる。自分としては、最後辺りに出てくる介護施設のシーンは必要なかったかな?なんて感じていますけど、何度も見なおして楽しみたい映画でしたね。