星に願いを、月に祈りを

 年取って会社員していた人は定年という事で、自営業の人でも65歳で前期高齢者という事で若い頃のように体は動かなくなるし、仕事も第一線から外れてくると他の目的を見つけようとするのか、ボランティアや自治会の仕事を受けたりする人も出てきます。中国の古典「論語」にも「君子は義に喩(さと)り小人は利に喩る」なんて言葉がありますが「徳のある人はまず正しい道かどうかを考えるが、つまらない人は損得を考える」という意味だそうで、家庭での出費も落ち着き稼ぎより時間ができることで社会に目がいくのでしょうか。

 高校を卒業したのはもう半世紀ほど前になります。県立高校でしたがいろいろな縁もあり、本年から高校の同窓会事務局のお手伝いをさせてもらうことになり、自ずと先輩後輩とのお付き合いも増えてまいりました。創立100年以上となる学校ですのでご存命の先輩には紀寿を迎える方も出てこられています。歳を重ねてきた今、高校での3年間の意義は何だったんだろうか?と、詮無いことを考えたりもします。

 俺様一人で立派になったわけではなく、周りの多くの人の縁に支えられ今の自分がある。と、感謝を口にできるようになるのは歳をとったせいなのでしょうか。美味しいものを食べさせてください、綺麗な服を買えるようにしてください・・・、神様にお祈りすればいいのでしょうか、星に願いをかければいいのでしょうか、争いが無くなりますようにと月に祈りを捧げればいいのでしょうか。今の世界情勢を見ると、遠く離れた一個人が何をすれば良いのかわかりませんが、今日もご飯が食べられた事、健康でいられる事、温かい布団で眠れることに感謝することにします。

祈りは届きましたか?